共感と未来を読むこと

ファッションは共感です。ファッションデザイナーの仕事は未来を読むこと。そんなデザイナー2人に言われた言葉。ファッションとお洒落がメインです。

ディオールと私

ディオール。説明不要ですね。
今回の映画はラフシモンズ氏が就任しての最初のオートクチュールコレクションを密着。
そんな映画、「ディオールと私」に凸してきたよ。



そこで、軽くラフ氏がディオールを次ぐまでのエピソード。
前任、ジョンガリアーノ氏が差別発言で解雇されます。映画では一切触れない内容ですが、ここから始まった物語と言っていいでしょう。
ディオールをここまで盛り返したのは事実、ガリアーノ氏。
で、酔った勢いで言った差別発言がネットに出回り解雇。アルノー氏がユダヤ人ですしね。って一見理に適って当然だろうって所でひとつの疑惑が。

『ジョンガリアーノ氏は、はめられた。』

ガリアーノ氏の元で働いた経験のあるデザイナーの信國氏、山縣氏は当時、

『ジョンガリアーノは差別なんかする人じゃない』

と言われています。
ストレスによって煽られて言い返したと。言ったのは事実ですが、はめられたと思われる要因。

①SPが何故止めない
②流出した動画は話題になるよりも昔の隠し撮りされた物

①…巨万の富を産むデザイナーのSPがトラブルの時に動かないとは考えにくい。
②…過去にも言ってたっていうのも問題でしょうが、過去の物を引っ張り出してくる辺り、タイミングを計っていたと考えられます。

答えは売り上げの低下です。
ファッションは話題性が常に必要です。その為にガリアーノ氏をどうやって解雇するかを考えた結果だと言われています。
差別主義者かどうかは過去のコレクションを見るとわかると思います。



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って所で映画の方に。
ここからネタバレ含みます。
メインの登場人物はラフ氏、右腕のピーター氏、スーツ、ドレスの工房長、とLVMH会長のアルノー氏。

ラフ氏が選ばれるのが意外って所から。
ジルサンダー辞める訳ないだろと。ジルサンダー氏本人がやるって言ったのにラフ氏がいるから戻れなかったって話があるくらいですし。

ラフ氏と職人の顔合わせ。ここがディオールが2大クチュールメゾンである所以です。

『職人』

ドレスとスーツの工場長を始め、凄い職人が揃ってます。44年ディオールにいる職人がいたりと、デザイナーが変わろうとアトリエのDNAは変わらない。

ラフ氏の仕事。
デザイナーだけどデザイン画一切描きません。ファイルを作成してそれを元にアトリエスタッフがひとつのファイルに100〜200枚のデザイン画を描いてそれをラフが3〜4枚選ぶ形式。
非常に合理的。

そこから製作、コレクション準備期間と顧客の注文次期が重なって地獄。
フィッティング予定日にドレスが一着も上がってなくて、ラフ氏がブチ切れます。

なんでフィッティングの日にチーフが顧客1人のためにNYに飛んでるんだと、アトリエの動き止まるだろうと。

それに対して資金が無ければコレクションが止まる。年間5000万の売り上げになる顧客を無視するのかと。

この辺がTHE資本主義って感じですね。

とあとはトラブりながらもショーは成功っていう感じの映画でした。
幽霊のディオール氏がずっと語るっていう設定、全然いらない。映画だから仕方ないかって感じですが。



上記の所以外に見所はアトリエの職人の仕事っぷり、そしてラフ氏の右腕、ピーター氏の良い働き。
彼がいなければ崩壊してもおかしくないくらい人として良い動きをします。

エスプリディオール見て感動した人なら見て損はないかなと。そういう映画でした。