いくつになっても楽しめる
Advanced Style
ちょっと前に話題になった写真集ですね、今回はその映画に凸してきたよ。
舞台はニューヨーク。
ニューヨークのファッション映画ってアメリカンドリーム叶っちゃいましたみたいな感じのが多いんだけど、そんな映画ではなく、いくつになってもお洒落は楽しめるという感じの映画。
非常に共感する部分が多く楽しめる映画でした。
現代、8頭身の美人以外でもモデルにしていいと思うんですよね。
日本だとあまりお洒落な老人っていないけど、戦後70年がそのまま洋服の歴史なんだから、日本もアーカイブ的に老人の方がお洒落な服を持ってていいはず。
大体デザイナーが歳取ってもひたすら若者の服を作る構造がちょっとおかしいのかもしれない。
この映画見て感じたのは本当に服が好きな人達だなと。
今の使い捨てのファストファッション着てる若者よりもよっぽど老人の方がお洒落、そう感じさせてくれる映画でした。
「アトバンスト・スタイル そのファッションが、人生」
ヌードはファッションになり得るのか?
洋服の対極にあると言ってもいい裸。
ヌードはファッションになり得るのか?
銀座M84で開催中の展示、Fashion Nudeに凸してきたよ。
アートギャラリーM84は初訪問。
20世紀に活躍したファッションフォトグラファー達。
おそらく知ってる方もいるかな?
個人解釈として、
ファッション≒洋服
ファッション≒アート
ファッション≒お洒落
で、似てるけどこれらは異なる物だと思っています。
この写真が取られた時代に実際に生きていたわけではないので、具体的な事はわかりませんが。
全てモノクロ写真。
そしてヌード。
お洒落です、一枚だけ窓からケツ出してる物を撮影しているだけの作品をお洒落やファッションと呼んでいいのかわかりませんでしたが、それはアートの比重が強いというか。
現代のようなごちゃごちゃした洋服を見せるわけではなく、シンプルな服をカチッと。
良くも悪くも古き良き時代と呼べる時代を切り取った展示でした。
ヌードだろうと、お洒落なんですよ、下手な服を着ている人達より。
そういう意味でファッション性を持ち得ているし、いただろうと。
ヌードはファッションになり得る。
これが個人解釈です。
そして何よりこのギャラリーのオーナーから写真への愛を感じる。
この展示を有料にしたのは、無料だと人は来てくれるけど、ごった返してゆっくり見てもらう事が出来ないから今回は有料にしてるとの事で。
デジタルが普及した今、何枚でもプリント出来るだろとか思いますよね。
でも、同じように何度も焼けるわけではなく、紙をどうするかで見え方が変わる。
そして写真より一回り大きい額に入れる事で魅せ方も変わる、ギリギリのサイズに入れると写真へのダメージもあるそうで。
日本に写真を買うという文化はほぼないですが、写真集とは確かに見え方が違います。
いくつも写真展まわって最近ようやくわかってきた、見えてきた事ですが。
何故写真一枚が10万単位するのかがわかってきた気もします。
個人的にはヘルムート・ニュートン氏が作品と生き方が今回のメンバーでは一番好きでしたね。
世界的著名作家による写真展「Fashion Nude」
〜2015年6月6日
ミナ ヘルポネン
現在スパイラルで開催中のミナ ペルホネン展覧会「ミナカケル」に凸してきたよ。
デザイナー、皆川明氏。
日本の大御所のひとりですね。
ただ、ミナの服を着ている人に出会わないので、正直テキスタイルやライフスタイルに力を入れてるなってくらいの認識で個人的に正直立ち位置が今ひとつわからないブランドでもあります。
直営店も白金台だし、安くはないですしね。
今回も全体的に金かかってるなって作り込みの展示。
直接見た方が早いので、凸してみてください、展示は無料ですので。
ザーッと展示の雰囲気を。
ただこのブランドで唯一大好きな物があります、このレース。
薬品に漬けて周りを溶かしているので実に繊細で面白い柄も作れるという技術、これは流通してるレースとは違うので非常に素敵かつ、このブランドの武器のひとつと言っていいでしょう、そこまで見てる人がいるかはわかりませんが。
ミナ ペルホネン展覧会「ミナカケル」
〜2015年6月7日
ミナ ヘルポネン
服×絵×写真
はるかきみへの展示受注会でもあります。
何が面白いってこれ、絵画を背景に撮影している所。
赤頭巾等の絵本の世界観に入れるコレクション。
ラックにも洋服の代わりにコレクションの写真が展示されてたりします。
その場で試着して撮影、そのまま壁に貼り出すっていうその場で写真展もやっています。
今日までですが、タイミング合う方は是非。
透明な澱
〜2015年5月17日
はるかきみへ
永見由子
asosatoshi
コレクション=フェミニン+マスキュリム
モードビジネスが変わった。
ラグジュアリーマークビジネスが中国から日本マーケットへシフトし直した事の根幹は、モードビジネスも大きくはスーベニティールビジネスであるという事をひとつは再認識。
売り上げの30%足らずですから、出来ればある種のスーベニティール、今、例えば日本のラグジュアリー系もそうですけど、実際に日本で売れている買って下さってる人は中国からの旅行者、あるいは他国からの旅行者、だからファッションスーベニティールをどれだけ自分達のお店の前で取るのか、それだけジャンルが青山のコム・デ・ギャルソンに完全になってしまってますね。
あそこではブランドは知ってる、だけどコム・デ・ギャルソンの東京店に行ったら、こんな知らない物があった、こんなファッションスーベニティールがあったっていうところで入り口にまずあったのがほとんど奥に引っ込んで、バッグだとかいわゆるファッションスーベニティール、コム・デ・ギャルソンで打ち出して集積されているショップになってしまっていると。
という事はこれからのモードビジネスの大きくは広告産業であり、広告産業の実情、スーベニティールっていう分け方しかないですよね。
ラグジュアリーのイメージとクリエーションを実質ビジネスに繋げているのが、パリではサンチェ系と呼ばれていたデパートをメイン顧客として、コピーブランドを束ねているアパレル勢である。
これは日本で言えばある種の大手アパレル。
やっぱり日本、デパートをターゲットにした既製服大手メーカーというようなサンチェ、これは土地の名前なんですけども、日本で言えば、東京で言えばかつての東日本橋、パクってナンボ、出来るだけ上手くパクってそれを自分達のディストリビューションとしてのデパートにそれなりのパクって来て、売るかっていうところ。
これが1980〜90年代、2000年ぐらいまではかなりプレタポルテデザイナーが創造性を前にしてビジネススタイルを広くするために彼等大人しかったんですけども、ここに来てトレンドが経済的なトレンドへ、アーカイブのバリエーションを出して来ると、そのバリエーションを一番沢山持っているところの方が勝つというところではサンチェ系が今売り上げがどんどん伸びています。
だからここ2〜3年パリではちょっと今落ちてきたんですけども、MAJE、SANDOR、サンチェ系のブランドです。
MAJE、SANDORは2〜3年前にソニアリキエルを元ごと全部買って2年持って、それで3年目には中国のあるレストランに売ってしまっています。
この2年間で彼等は何したかって言ったら、ソニアリキエルから学んだ事は広告戦略ビジネスを学んでいます。
それ以降SANDORの大きな広告は色々な海外に出してもそれなりにいっています。
例えば日本で言えば樫山が広告戦略するのと違うっていうレベルで変わってしまっています。
サンディカ、チェアマンが変わった事によって新しさのひとつに、もう一度フランス全体のモード産業を見直した時にはサンディカ、オートクチュールプレタポルテ組合がバックアップをして、サンチェ系の、いわゆる今まではコピーブランドを売ってたところをもう一度それなりの施設に直して、ビジネスを広げようと、そのためにこのサンディカオートクチュール組合が直属の、今まではクチュールの針子さん養成学校であったこの学校をサンチェの隣接移動させて全く内容もミシンを使っていいですよのカリキュラムに変わってしまっている。
これはまぁ、僕流の呼び方でいくと、パリの連中もオートクチュールは、つい肥大化して根幹としての一番マスで売り上げを上げるサンチェ系の既製服の皆さんがもっと力を持てば今後ファッションビジネス産業その物が上に上がって行きますよねっていうところに見つけた最も新しい動きだと思います。
それからもうひとつはやっぱり、これは日本の場合、これはかなり進化しているんですけども、いわゆるITファッションビジネスの進化っていうのはPCの中にどれだけIT、テクノロジーが使い込まれるかっていうところで、これは日本よりもかなり遅れて来たヨーロッパがプレタポルテデザイナーのネット通販ビジネスの参入し、NET-A-POTERやイタリアのヴォーグ社とがやっているthe corner.coっていう、それからヨーロッパで一番早くにデザイナーのネット販売をやったYOOXとのコラボでビジネス規模をどんどん広くするって現実があります。
それからもうひとつは具体的な例でいくと、H&Mが始めたファストファッションのシニアブランド版のCOSです。
これがヨーロッパでも売り上げが上げています。
パリで3〜4店舗、日本で去年の11月かなんかに、それもやっぱりラグジュアリー系の裏っ側に仕事があるか、丁度ヨージの前にコスメティックブティックが出来ましたけども、これはもしかしたら、これからの日本のアパレルのもうひとつの脅威です。
僕はこのCOSっていうのは同じスエーデン発のプレタポルテデザイナーで4年前くらいからパリに上陸して今ぶわぁーっと上手くイメージ戦略を含めて売り上げを伸ばして来たACNEの向こう立ったブランドですよね。
ACNEのあれぐらい高い値段であれぐらい売れるんだったらうちはこれぐらいのプライスダウンでこれぐらいの作ってやるって出したのがCOSです。
COSはこれは確実に売り上げを伸ばしてます。
だからファストファッションのシニア版が当然出て来たと。
どこだったかな、マンゴーかどこかもファストファッションのジュニア版を出したために共倒れしてるはずです。
だからこのCOSがこれからどういう風な動きを取るかによって、サンチェ系の、ある意味では日本の儲けてる風、アパレル既製服メーカーも、どういう風に対処するのかっていうのが新しい動きの取っ掛かりになると思います。
それからこの前、パリのスージューベルトっていうプライベートなファッション学校の先生をやっている方がいらして久しぶりに鎌倉に来ていただいて、話をした中にちょっと面白い事をおっしゃったのは、卒業生が自分でデザイナーをやるにはかなりリスクが多いから、出来るだけ彼等も安心、安全の快適のコードを使って、ひとつはラグジュアリー系に就職っていうのが増えた。
で、その面接が英語が喋れないとダメだっていう事が新しく入って来た。
今までのパリはこれはなかったんです、基本的にはフランス語が喋れないとアンタダメよ、だから日本系のエスモードや、モードが向こうで幾つか参入している学校も日本人は日本人クラスを作ってフランス語喋れなくてもいいですけどっていうリップサービスのシステムでやってるんですけども、そこにフランス語じゃなくて英語が喋れないと先のラグジュアリー系には入れませんよっていう、英語がかなり前に出て来た現実がありますよと。
英語が本格的なビジネス用語になり始めた。
フランスのファッション企業で働くためには英語で面接されるところも出て来て、ここにも、ある意味では共通言語としての、マシンとしてのPCを使うためにはやっぱり英語っていう世界になって来てると思います。
それからシーズンコレクションの作り方の方程式、これは前回も一回言ったんですけど、これはこないだのパリコレを見ても確実に言える事は、コレクションっていうのはフェミニンとマスキュリムっていう大きなふたつのゾーンがあります。
このゾーンの中をどうブリッジラインとしてデザインを出すかっていう、このブランドライン、ストリート、ユニフォーム、それからその時代の中では今シーズンでいくとMA-1というのは日本では去年の最古は秋くらいからMA-1がトレンド性を持ったアイテムになって来ていますけども、当然これはこの間のパリコレでもMA-1っていうコードが入っています。
これは僕流に言ったらフェミニンとマスキュリムのブリッジラインのアイテムとしてこれが出ています。
この方程式、フェミニンを何%、例えばフェミニンを今シーズンで言ったら30%、マスキュリムを25%、後は45%ですか、をじゃあブリッジラインでどう出そうか?
これだけのマトリックスを覚えればこれはコレクションは結構簡単です。
単純な言い方をしてしまったわけです。
この方程式を僕はニコラ氏がディーゼルのデザイナー、ディレクターに成った時に、お客さんどうしようっていう時に、この方程式を使えよって喋った事があるんですけども、今のニコラ氏のディーゼルはこの方程式でほとんどコレクションは構築されています。
例えば皆さんそれぞれのデザイナーがコレクションを気にしてネットでコレクション情報をザーッと見る時にこれはマスキュリム、これはフェミニンって分けていって、その間にどういう風にオリジナルを出すか、アウトプットにどう使って行くかっていうこれだけのバランスですよね。
っていう事はこれだけの、ある種のデザイナーとして経験を積んできた人達のやり方かもわかんないですけども、結果全く新しさっていう物はないっていう風に、アーカイブをチョイスして、アーカイブからコレクションの根幹を作って行くこの方程式はかなり使える物です。
それからそのコレクションのクオリティ、テイストセッティングは女性のリアルライフスタイリングと今の空気感+カッティングですよね。
このカッティングっていうのが一番、ある種の美意識と教養を象徴する中身です。
シルエットはアーカイブから選んでも素材によってはカッティングを変える事によって全く今の新しい、もしくはそのデザイナーの美意識と教養に繋がってくる。
単純にいくと例えば、数シーズン前でいくとコートはラグランの方が良いよねとか、そういうちょっとした時代の空気感からパターンを全く結び付きを変えてしまう、身頃の分量をどうするか、これがある種の分量間に繋がって来るんですけど、その分量間を出すのはカッティング作業です。
それはそれぞれのデザイナーが持ち得た教養と僕は美意識のチェックだと、そういった意味で言ったら+ファッションセンス。
っていうところでそれぞれのコレクションクオリティに対してはセッティングされるんじゃないですか。
それからコレクションの新しさを生み出す物はやはり今の時代、ヒューマンテクノロジー+サイエンステクノロジー+バーチャルテクノロジーの産業化です。
これによってコレクションの新しさ、今シーズンでいくと、インジェクションプリントですか、写真転写が少し落ち着いて3Dプリントに変わって来てると。
これがある種のサイエンステクノロジーとバーチャルテクノロジーが新たに加わった。
で、これがコレクションの見た目の新しさと本質とやっぱりちょっと新しいよねっていうところだと思います。
最後に目立つ問題点としては、このような時代性となるとアーカイブからコレクションを作る場合、今の若いデザイナー達はその持ち得たリアリテがない。
そのため、フラットな平面性、ヴィジュアルからのデザインになる。
当然、まぁファッション雑誌で見ると、基本的には表面しか見えないわけです。
裏、横がどうなっているか見えないから結局フラットな物をどういう風にリクライトするかっていうところになっているために、分量のデザインが出来にくい、あるいは出来ない。
表層のシルエットのコピーは出来るが、今の時代の分量間に置き換えるニュアンスのデザインが出来ない。
そのためにパターン力の低下が目立つ。
学ぶ方法は教養を深め、歴史を学ぶ、古着を触る、もしかしたら古い映画を見る、自分の育ちを省みる。
そして熟練者の仕事を敬い、学び、オープンマインドである事。
ここにも最終的には自分自身が劣等感に置いていかれないで、出来るだけ自分はその場とか学びなさいよというところになるから、これが一部で皆さんにお話したかった事をダラダラと喋らせていただいたんですけども。
というところで一部終了。
二部はフルボッコという名の公開処刑だったので、それは来ていた人達だけにという事で。
ファッションアーカイブとラグジュアリーの方向転換
構造が変化した時に、チーム、個人デザイナーからアトリエ主体型になった時に一番良い例は、年末にラフ氏のディオールが来て、銀座で展覧会が2〜3週間あって、ショーも一回やったと。
で、ショーを見ても、別に凄いコレクションでもなんでもない、そこそこ良くまとめたなっていう、完全に僕流に言ったらある種のプレタポルテのショーであって、かつてのクリスチャン・ディオールっていう伝統な発信する内容では到底ない。
展覧会に行って、これはこのブランド凄いなっていうのは、展覧会に行ってわかったんですけども、展覧会は無料、それでクリスチャン・ディオールのクリスチャンをなくしたディオール展。
それでオリジナルのクリスチャン・ディオール氏の作品とラフ氏の作った物に関してはデザイナー名が入って、その間の、サンローラン氏、マーク・ボアン氏、ジャン・フランコ・フェレ氏、ジョン・ガリアーノ氏、この作品に関しては使っている物は全部年代で省略してあるだけで、個々のデザイナー名は省く。
それから一番気が付いたのは、アトリエの人達、白衣を着た人達がインスタレーション的に、それぞれのアトリエの作業をそこで展示に来た人達に提供している。
それから大きなアトリエの人達が白衣を着た人達が写真がアップで。
という事は、ある種、ディオールの中のある種の単純性っていうか、無名性的なデザイナーなくても僕達がこれだけのアトリエが、スタッフがいるために、これだけの良い物が作れたんですよというのを見せつけてくれた展覧会であった。
実際、この1年間、結果的には売り上げが下がってないです。
これを調べてこれに気が付いて今のディオール社の経営クラスのトップの連中は、僕達にはこんなに良いアトリエがあるんだよね、っていう前提で、このアトリエをディレクションしてくれるディレクターさえいればこれからはビジネスとしてはやっていける。
っていうところでラフ氏がひとりディレクターの中から選ばれた。
これが現実です。
だからそれを全てに渡って、ディオールの展覧会は僕的な読み方をいくと、全くデザイナー、クリスチャン・ディオール氏=サンローラン氏、最終的にはジョン・ガリアーノ氏っていう個人のデザイナーを持って来るんではなくて、我々にはアトリエが支配してますよねっていう事を裏付けするための展覧会である。
これがファッション産業構造の中では一番大きな、最近の中では変化だと思っています。
だからデザイナーよりはディレクターに、ディレクターが持っているいくつかみっつぐらいの特技と+それを持ってそれぞれのヴィジョンに入れるアトリエシーンをどうディレクションするか。
これがラグジュアリーブランドビジネスの基本的な構造の新しさになってます。
ただこのアトリエチームを持っているっていうのはインディペンデントな若いデザイナーはほとんどこれはないです。
自分がアトリエの人員であり、自分も色々やるっていうところで、この構造はラグジュアリーブランドビジネスと少し大きなプレタポルテデザイナーのブランドが用いる構造で若いインディペンデントな、ボリュームの足りないプレタポルテデザイナーは当然これは用い獲られない。
だから、パリのファッション構造がこういう風に変化してきた代わりに今、パリもそうですし、いわゆるリアル界のファッション校と言われる学校を卒業した卒業生達が就職的に左右されるのは、それなりの自分達が勝手に任されてみたいと思われるラグジュアリー系のブランドのその中に、チームになりたい人達が増えています。
もしくら完全にお金を取ってファストファッションクラスの大手の企業にいくかと。
インディペンデントなデザイナーはかなりリスクとコストがいるために今、若いファッション学校卒業生の、今かなり、後ろに引き始めてます。
ファッションアーカイブ、アーカイブって僕がいうファッション世界における基本コードの集積化であって、イメージングされたそれぞれの時代における女性の生き方のコードの堆積化である。
ファッションアーカイブには、スタイルがあります、パターンもあります、素材もあります、色もあります、ディテールとバランス、そしてイメージと基本的なそれぞれの時代、それぞれのシーズンのある種のコンセプト、なりの自分がコードが堆積されている巨大な世界になっている。
このファッションアーカイブを上手く今のITと結び付けて、これからファッションアーカイブをビックデータ化して、それなりの使いやすいアーカイブマニュアルを作っていく事がもうひとつのデザイナーの新しいファッションビジネスの手法になると思う。
アーカイブをどうするか、これからの、巨大なデータですから、データ化する事でファッションもビジネスもどんどんいわゆる新しさが生まれるだろうと。
ラグジュアリーが方向転換したっていうのはこれは、基本的には1990年代の湾岸戦争以後、丁度1991〜92年の湾岸戦争だと思うんですけど、それに煽りを受けたようにクチュールの客が減って、そこへ登場したのが1992年のグッチのトム・フォード氏がラグジュアリーファッションディレクターとして登場して、ラグジュアリーマークビジネスという新たな括りでモードビジネスの新しさをミラノの老舗が見つけた。
それでこうやってきて、実際のファッションビジネスっていうのはラグジュアリーの思惑をどうラッピングするかの包装紙になってしまった。
それからもうひとつ新しい、ここで僕が一番新しいのは2000年来、それぞれのビックメゾン、ビックラグジュアリーブランドのプレタポルテデザイナーはみんな中国を新しい世界、マーケットとして、もうひとつは生産地としてのふたつを含めて中国に色目を使ってどんどんそれぞれのブランド、それぞれのマークビジネスが中国に侵入していきます。
だからこの約10年くらいで彼等が認識したのは、やはり同じアジア人でも日本と中国人は違うっていう事。
その違い方は基本的には中国人の方がよりビジネスに対してはしっかりしてて、ある種ラグジュアリービジネスも、もうこれ以上奥には中々入れないよねっていうところに辿り着いたのは去年以来です。
それによってそれぞれのラグジュアリーブランドビジネスはもう一回Uターンして新たに日本のマーケットっていうのを攻め始めました。
その証拠が多分僕が帰って来て目にしたんですけど、表参道のギャルソンが入ったところにバレンシアガが出来、マックイーンが出来、ミュウミュウが出来っていう、当然のようにラグジュアリーブランドビジネスがまた東京の街に出店をし始めている。
で、この間のさっき言ったディテールのショーの時も、ずーっと来ている人を見ると、日本のそれなりに選ばれた赤文字系も含めたファッション関係の人達、当然のように座っているんですけども、それに混じってやはりそこそこ良い席に座っているのは中国からのジャーナリスト、それから顧客の方で言ったら中国での顧客の人達が手招きされて招待されて、もしくは旅費まで払って貰ってちゃんと見に来てると。
という事は中国で、今までは中国をビジネス戦略として新たな目線を持った時は、日本でもラグジュアリー系ブランドの広告宣伝費はほとんど使われなくなって、日本で使うのは販促経費だけで、今まで日本で使ってた広告宣伝費を同じクレジットで中国で使ったら、何倍も効果があるっていうところで、ほとんど中国で広告宣伝費を使った。
だだそれもここ10年間でこれ以上奥に入れないっていうところをそれぞれが体感してもう一度やっぱり上手く騙すなら日本人だよねっていうところに来たのがもう一度、この春からです。
これは僕が深入りするひとつはすぐ後ろには、この前もお話したように、昨年来、安倍政権が色々な法律や条約を変えようとしてる中の新たなひとつにカジノ法案があります。
数日前にもほぼ決まりそうだなってところまで来ています。
これ庁党派で出来たカジノ推進派委員会みたいな物があって、まぁほぼ15年近くジワジワやっと東京オリンピックをターゲットにして、基本的には東京オリンピックの時には東京にカジノ、大阪にカジノ、沖縄にカジノっていう戦略です。
そうするとこの新しい去年のニュースの中からも僕なりの読み方でいくとカジノっていうのはファッション産業に大きなひとつのモチベーションを与えます。
カジノに出入りする男性、女性はどういう格好でどういう雰囲気で行くのか?
想像した時には、それなりの成金の男とそれなりの女と。
その時にそれなりの女の人達が何着てるかって言ったら、やはりトップクラスは世界の名だたるラグジュアリーブランドビジネスを着てるだろうと。
っていう事はもしかしたら置かれるかもわからない中国を構想にして日本にもう一回帰って、日本に数年後にカジノが出来るよね、これは新しい我々のファッションビジネスのモチベーションになりますよね。
だから海外のラグジュアリーブランドを着る人達、それから日本のそれなりの好きなブランドを着る人達、それからマルキュウ系を着る人達、この層が確実に具現化するはずです。
それによってファッションビジネスの横分けされ方、そういう意味で言ったらラグジュアリーマークビジネスはもう一度日本に方向を転換し始めている。
これはこれからのカジノ法案が決まってから僕達の関係あるファッション産業がどういう風に新しい決められた法律で生まれてくる産業とどう結びつくか。
そこに自分達がどれだけ手が出せるのかどうか、現実感として自分達が上手く関われるのか、関われないのか。
ひとつの将来、近い将来的な時代のやり方に、そういった意味ではニュースを読むっていうのは結構大事です。
ユニフォームビジネスっていうのもまた新しく生まれて来ます。
ではその新しい軍隊のユニフォームを誰がデザインするのか、どこが請け負うのか、これもこれからのファッション、我々世界のひとつの流れの中、将来性に繋がっています。
長くなったので、区切り、続きます。
ラッピングペーパー
今の時代におけるデザインすることとは。
基本的には僕はファッションの世界は普遍的な色んなコードをレイアウトする事がファッションデザインする事であると。
色んなコードがあります、そのコードの中のひとつに機能性があったり、生地があったり、モデルをどうするかっていったり色んな決まりを含めたコードがあります。
そのコードをそれぞれがどういうコードを使ってどういうコードを省略して、コードをどういう風に今の時代感、空気感にいわゆる落とし込むか。
これ=僕流に言ったら、ファッションデザインするっていう作業になると思います。
そのコードをどれだけ仕入れるか、それを頭の中で仕入れるか、自分が持ち得ているリアリティから仕入れるかの違いで、かなりその深みが当然変わって来ます。
時代の空気感をデザインし、ライフスタイリングのニュアンスをデザインする。
これが多分デザイナーとディレクターの大いに異なる部分だと思います。
それらをデザインするための時代の感覚的新しさとは、リアリティをイメージングする事で、結局絵に描いた餅をデザインしても、もうそれはみんなが絵が描けますよね。
もしかしたらそれなりの中で自分達の生活、ライフスタイルがあるから、ライフスタイリング、自分達が持ってリアリティとしてのライフスタイリングから何をイメージングしたら新しさに繋がるんですかっていうところです。
かつてはイメージが優先してイメージをどうリアリティ化するか、それが自分達の持ち得るあり得るべきライフスタイリングだったんですけども、これがイメージとリアリティが逆転、従って時代の感覚的新しさとしては素材+色+プリント=質感=3D感が形骸的なデザイン性よりも、プライオリティを持つ。
だから色んなコードの中で何を自分なりにプライオリティとして重要だとして、そこをどうリライトするかというところに長けている人が多分ディレクターだろうと思います。
ビジネスを考える場合はトレンドを自分達のマーク&ブランドの世界観とイメージでデザイン。
結局もうひとつはリアルな事でいくと、ファッションディレクターがするべき事は、トム・フォード氏がやったように、自分達のマーク&ブランドの世界観をどれだけイメージング化するか=アーティスティックディレクターをするか。
今、例えばラグジュアリーブランド=パリの老舗ブランドが出しているラグジュアリー、ディオールのプレタもそんな感じですよね。
この辺はみんな、ある種の僕流に言ったらそれぞれのブランド、ラグジュアリーブランドのラッピングペーパーです、包装紙です。
というのはちょっと古い話を、パリのジャーナリストも日本のジャーナリストもじゃぁ今、ラグジュアリーブランドで世界で一番売上を上げているのはどこある、どういうランキングになっているのかってほとんど知らない。
僕はこれEFMの図書館に行って2年前かなんかに調べた時に出て来た資料が2010年ぐらいだったんですけど、2010年で一番はシャネル、二番がディオール、三番がヒューゴ・ボス、これはヒューゴ・ボスというのはドイツの巨大なアパレル企業です。
その中で面白かったのが13番目に僕達が自慢出来るコム・デ・ギャルソンが世界トータルの番付として入っていると。
シャネルやディオールやそれぞれのブランド、ほとんど皆さんが知ってるラグジュアリー系のブランド、その中の売上の、実際衣料品で売っているのは3分の1足らずです。
あとの3分の2はファッション以外で儲けてる。
彼等はファッションで、クリエイティングをして、パリコレを見せて、そのイメージの下で自分達が作る、コスメ、靴、バッグ、これがラグジュアリーブランドビジネスが大きくなった2000年に入ってからの彼等のビジネスである。
これは今も変わってなくて、ますますファッションはそれぞれのラグジュアリーブランドマークのラッピングペーパーでしかないですよ。
ファッションブランド、それぞれのラグジュアリーブランドはファッションを発信していますけども、結局それは売上の3分の1足らずですよと。
あとの3分の2はファッションでイメージングしたラッピングペーパーでラッピングされた包装紙で包装された物を売れば売れるんだよねってこのビジネスの略に変わって来てます。
より大きな、だから僕は冒頭にファッション産業っていうのは広告産業ですよって言い切ったのはその通りです。
そういう意味でいくと、自分達のマーク&ブランドの世界観をどうイメージングでアースディレクションするかもこれからのファッションディレクターのみっつ目の大きな役割となる。
このアーカイブを時代の空気感なり、ニュアンスでチョイスする、今、何を、古い物を選んできて、それを今なりの素材感に置き換えて、今なりの洋服で今なりのプリントを持って来て出せば新しさになるか。
これが例えばラフ氏の一番大きな仕事になります。
彼がやっている事は全てその範囲でしかやっていない。
続きます。