走れるピンヒール
皆さん、マノロ・ブラニクはご存知ですか?
走れるピンヒールっていう別名がある靴。
今回、「マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年」に凸して来たよ。
っても少年じゃなくて老人ですけど。
この映画はヴィヴィアン佐藤氏に紹介してもらい、興味を持ったので。
ヴィヴィアン氏曰く、実際は走れないけどね。
はい、最近だとセックス・アンド・ザ・シティ有名になった靴。
ネタバレもあまりしてもって感じですが、淡々と美しい靴が出てきます。
過去に見た某赤い靴のおっさんの性癖でひたすら脚を見せられる映画とは大違い。
この映画で印象的だったのは、靴なんか履かせたら美しい足が台無しになるだろ的な発言をデザイナー兼職人のマノロ氏が言ってた事ですね。
あとは是非劇場で。
織物職人と地下アイドル
皆さん、恋してますか?
前回のエントリーでペニスとか書いて、次は純愛の話かよと。
振り幅広いけど、付いてきてね。
しかしこれ、ファッションブログなんだわ。
ファッションと切っても切れない関係。
アイドル。
衣装という特殊な世界。
その中でも滅びゆく技術もあります。
今回、映画
「堕ちる」
の初日に凸してきたよ。
これマジで見たかった映画なんですよ。
何故なら桐生のPRで作った映画にも関わらず、桐生のイベントでしか封切られてなかったから。
もうね、全力でPRしてやろうかと。
何故なら、
ファッション=共感
だから。
僕、この映画で2回泣きましたからね?
たった30〜40分くらいの短編映画だよ?
めっちゃネタバレするからその辺は読む人は宜しく!
舞台は桐生。
織物の有名な土地です。
世の中が不景気で織物も売れない時代。
この映画、実際の工場で古い織り機使ってるんですね。
そんな場所で働く今回の主人公。
織物職人。
そことは関係ない床屋で物語はスタートします。
床屋の娘。
壁にギターの写真が貼ってあって、昔から歌唄うのが好きなんだよねと床屋の親父。
良かったらこの後見に言って貰えませんか?
ここから、ドドンパもビックリの急下降のスタート。
娘、地下アイドルなんですよ。
めめたん。
めーめーたん!
めーめーたん!
めーめーたん!
ライブハウスでの新曲。
ライブが終わって物販タイム。
そこで床屋の客がいる。
マジかよ、親父言いやがったなっていうめめたんの心境。
が、しかし、めめたんアイドルですよ。
耳元で
「内緒にしてね。」
って囁いてから新曲のCD渡すんですね。
ジェットコースターが上り出します。
寡黙な職人、移動中もめめたんの曲聴くくらいハマります。
寡黙な職人って言ったけど、どのくらい寡黙かって、
この映画中喋らないから。
セリフないから。
その位寡黙っていうか、マジでサイレント映画じゃないのに言葉ないから。
めめたんTシャツを着てライブに通い出す職人。
古参のファンに連れられてめめたんを盛り上げる為にやれる事を考え出す。
はい、これファッションブログです。
これは桐生のPRです。
職人魂に火が付きます。
織物の職人はあくまで織物の職人。
衣装を作るのはまた別の技術。
通うから。
図書館でありったけのファッションの本借りるから。
BGMめめたんしか流れないから。
この頃もう部屋の中、めめたんの写真だらけ。
で、仕事中に織り出すんですよ、この恋する職人は。
家に帰っては衣装作り。
もうね、ここで一回泣けた。
愛する人の為に一方的に衣装作るんですよ。
しかも職人技術フルに使った技術の無駄遣いの生地で。
ハッキリ申し上げまして、気持ち悪いです。
しかし作り手としてはこれ程正しい事はないんですよ?
何故なら近い事やった事ありますからね。
過去の自分にダブる。
これ完全に報われないパターン。
しかも相手アイドルよ?
アイドルを支えている物≠ファン
アイドルを支えている物=ファンが投資する諭吉。
日本一のイケメンである諭吉さんを嫌いな人は誰もいません。
おっと、逸れましたね。
しかし、その辺のアイドルとめめたんを一緒にして貰ったら困る。
完成した衣装をバースデーに渡すとめめたんはちゃんと喜んでくれるんですよ。
きちんと、Twitterにアップしてくれるんですよ。
マジで良い子…
そんなめめたんに転機が訪れます。
別に彼氏発覚とかリアルな感じのやつではなく、めめたん東京デビュー決定!
めめたんがいなくなっても床屋を用もないのに覗く職人。
ハッキリ申し上げまして、気持ち悪いです(2度目)。
完全にストーカーのそれ。
でもね、思ったのは、
クララのバカ、何よ、意気地なし!
東京まで追わないんですよ。
誕生日ライブの日、ペンライト落としてそのタイミングでジャンプしたデブのめめたんオタクに手を踏まれて骨折してますからね?
それが原因で職場クビになってますからね?
織れない職人とかジブリの世界なのに飛べない豚くらい使えないからね?
ニート。
そして追い討ちをかける床屋の親父。
娘に渡した衣装を返すんですよ。
ここでバイトしてたの内緒にして下さいねって言って。
ここで2度目の涙腺崩壊。
職人魂が入っていようが、要らないものは要らないんですよ。
人に着て貰えない服などゴミに等しいから。
辛ぁぁぁぁぁ…
共感しますよ、好きな女に渡した物がイラネって戻ってくるんだから。
そして狂う職人。
めめたんの為だけに作った衣装、自分で着ちゃうからね?
オブラートに包んでも包めないくらい気持ち悪いですからね?
そして物語は最後の急降下。
クビになった職場で、めめたんの為だけに作った衣装を着たまま首吊り。
END.
とはならないんだけどさ。
織物のハギレだから死ぬ前に切れちゃうの。
そして自殺未遂を発見する工場の社長。
あんた、自分が何してるのかわかってんの?
僕が第一発見者だったらどう声をかけるだろう…
とか思いながら、
これ(衣装)自分で作ったんですか?
イケますよ、これ、これで行きましょう!
って最後はその衣装を着ためめたんのライブを見守る元気になった職人と社長でエンディング。
映画終わった瞬間、拍手の嵐。
映画見て観客が拍手した映画って初。
これは
ファッション=共感
って視点で見ても完全にファッション映画。
桐生以外で封切りされて本当に良かった。
そして、めめたん登場!
トークありーの、裏話としてライブシーンやり過ぎて声潰れたから誕生日のケーキのシーンのセリフ削ったとか色々と。
タオルとTシャツのプレゼントコーナーや、撮影コーナー。
そして最後はめめたんコールで〆。
めーめーたん!
凄くない?
何の打ち合わせもなく声を合わせためめたんのリアルファンの客凄くない?
ちょっと実際のライブ見たくなったよ。
めめたん可愛いし、これがアイドルってある意味見せつけられたね。
堕ちる
めめたん(錦織めぐみ)Luce Twinkle Wink
ペニスと宗教
ファッションって何ですか?
個人的にはアプローチです。
ファッションは人それぞれのファッションとは何かの答えがあっていいと思います。
このブログのタイトルはかつての師が言った言葉。
ファッション=共感
ファッションデザイナーの仕事は未来を読む事、ただし10年後とかじゃなくて、2年先くらいまで。
そう言った言葉から出来ています。
それ以外にね、
ファッション≒宗教
だと感じるんですよ。
今回はそんな話。
最近の気になるニュース、ケイスケカンダの文化バッグ販売。
http://ribbonful-store.com/?pid=115592455
これは衝撃。
文化の学生だった10年前、ケイスケカンダみたいなクオリティの服作ろうもんならディスりの対象でしたよ。
去年文化祭行った時もケイスケカンダがオートクチュール専攻科に何を教えるんだと。
特別講師で来てたみたいで素直にそう思ったのと、時代が変わったなと感じました。
僕、オートクチュール専攻科出身だから。
でもね、ケイスケカンダが言ってる事、わかるんですよ。
僕にとって一番お洒落な街は原宿でも渋谷でもなく文化に通うまでの新宿からの甲州街道だと。
これはね、とても共感。
ケイスケカンダの事は好きか嫌いかで言ったら大好きで。
服とかじゃなくて、アレは悔しいレベルでファッションやってる人で。
世界観の作り方がとてつもないの、教祖様なの。
そういう意味では僕の中である種、コム・デ・ギャルソンとか、最近のリック・オウエンスと同じ位置にいるの、信者の試し方で。
一番信者試したのはかつてのマルタン・マルジェラですけどね?
これが今回の布教なんだけど、どーよ?
そういうレベルで試してるね。
だってケイスケカンダの僕はモテなかったっていうのアレ、プロモーションだからね?
事実を伝えた信者、泣いたからね?
嘘だ…って言って泣かれたあの時のスタイリスト希望の娘の顔、今でも覚えてますよレベル。
そう、悪い言い方すればメンヘラホイホイなんですよ、ケイスケカンダは。
だって一見可愛い感じにラッピングしてるけど、あのロゴマーク、それが全て語ってる。
チンポです。
ゾウじゃなくて完全にチンポです。
なんならズル剥けのペニスです。
これ気付いた時にはマジかよ、やりおった…って悔しさで一杯。
想いは重い。
ディスりみたいに感じた人もいるかもしれないけど、これ超褒めてるから。
むしろリスペクトしてるから。
21世紀のデザイナーの歴史に残るひとりになり得るから。
ファストファッションが世界のファッションの売り上げの大部分持って行って。
詳しくはまた別のエントリーでも書きますよ、きっと。
ロゴがペニスだろうと、無かろうと、ラッピングペーパーだけだとしても、私にとってはこれが最高なんだよ!
世間の声、五月蝿えよ!
ってなったら最高。
ファッションって楽しい。
プロのデザイナーだよ、ケイスケカンダ。
最後に今回の文化バッグについてのケイスケカンダのツイートより。
文化の学生バッグをリメイクしてリボンまみれに。
もしも肩紐のテープが伸びてリボンになったら。
ファンタジーは日常の中に隠れてる。
このバッグをかわいいと思ってくれた学生は、買わなくていいので真似して作って欲しい。
学生よ針と糸を持て。
そうすれば気づくだろう。
縫うことで世界が変わることに。
keisukekanda