共感と未来を読むこと

ファッションは共感です。ファッションデザイナーの仕事は未来を読むこと。そんなデザイナー2人に言われた言葉。ファッションとお洒落がメインです。

ファッションアーカイブとラグジュアリーの方向転換

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ルプリもう少し続きます。



構造が変化した時に、チーム、個人デザイナーからアトリエ主体型になった時に一番良い例は、年末にラフ氏のディオールが来て、銀座で展覧会が2〜3週間あって、ショーも一回やったと。

で、ショーを見ても、別に凄いコレクションでもなんでもない、そこそこ良くまとめたなっていう、完全に僕流に言ったらある種のプレタポルテのショーであって、かつてのクリスチャン・ディオールっていう伝統な発信する内容では到底ない。

展覧会に行って、これはこのブランド凄いなっていうのは、展覧会に行ってわかったんですけども、展覧会は無料、それでクリスチャン・ディオールのクリスチャンをなくしたディオール展。

それでオリジナルのクリスチャン・ディオール氏の作品とラフ氏の作った物に関してはデザイナー名が入って、その間の、サンローラン氏、マーク・ボアン氏、ジャン・フランコ・フェレ氏、ジョン・ガリアーノ氏、この作品に関しては使っている物は全部年代で省略してあるだけで、個々のデザイナー名は省く。

それから一番気が付いたのは、アトリエの人達、白衣を着た人達がインスタレーション的に、それぞれのアトリエの作業をそこで展示に来た人達に提供している。

それから大きなアトリエの人達が白衣を着た人達が写真がアップで。

という事は、ある種、ディオールの中のある種の単純性っていうか、無名性的なデザイナーなくても僕達がこれだけのアトリエが、スタッフがいるために、これだけの良い物が作れたんですよというのを見せつけてくれた展覧会であった。

この根幹はジョン・ガリアーノ氏がクリスチャン・ディオール社から首を切られた時、その後、2シーズン、1年間はデザイナー不在のクリスチャン・ディオールブランドだった。

実際、この1年間、結果的には売り上げが下がってないです。

これを調べてこれに気が付いて今のディオール社の経営クラスのトップの連中は、僕達にはこんなに良いアトリエがあるんだよね、っていう前提で、このアトリエをディレクションしてくれるディレクターさえいればこれからはビジネスとしてはやっていける。

っていうところでラフ氏がひとりディレクターの中から選ばれた。

これが現実です。

だからそれを全てに渡って、ディオールの展覧会は僕的な読み方をいくと、全くデザイナー、クリスチャン・ディオール氏=サンローラン氏、最終的にはジョン・ガリアーノ氏っていう個人のデザイナーを持って来るんではなくて、我々にはアトリエが支配してますよねっていう事を裏付けするための展覧会である。

これがファッション産業構造の中では一番大きな、最近の中では変化だと思っています。

だからデザイナーよりはディレクターに、ディレクターが持っているいくつかみっつぐらいの特技と+それを持ってそれぞれのヴィジョンに入れるアトリエシーンをどうディレクションするか。

これがラグジュアリーブランドビジネスの基本的な構造の新しさになってます。

ただこのアトリエチームを持っているっていうのはインディペンデントな若いデザイナーはほとんどこれはないです。

自分がアトリエの人員であり、自分も色々やるっていうところで、この構造はラグジュアリーブランドビジネスと少し大きなプレタポルテデザイナーのブランドが用いる構造で若いインディペンデントな、ボリュームの足りないプレタポルテデザイナーは当然これは用い獲られない。

だから、パリのファッション構造がこういう風に変化してきた代わりに今、パリもそうですし、いわゆるリアル界のファッション校と言われる学校を卒業した卒業生達が就職的に左右されるのは、それなりの自分達が勝手に任されてみたいと思われるラグジュアリー系のブランドのその中に、チームになりたい人達が増えています。

もしくら完全にお金を取ってファストファッションクラスの大手の企業にいくかと。

インディペンデントなデザイナーはかなりリスクとコストがいるために今、若いファッション学校卒業生の、今かなり、後ろに引き始めてます。



ファッションアーカイブ、アーカイブって僕がいうファッション世界における基本コードの集積化であって、イメージングされたそれぞれの時代における女性の生き方のコードの堆積化である。

ファッションアーカイブには、スタイルがあります、パターンもあります、素材もあります、色もあります、ディテールとバランス、そしてイメージと基本的なそれぞれの時代、それぞれのシーズンのある種のコンセプト、なりの自分がコードが堆積されている巨大な世界になっている。

このファッションアーカイブを上手く今のITと結び付けて、これからファッションアーカイブをビックデータ化して、それなりの使いやすいアーカイブマニュアルを作っていく事がもうひとつのデザイナーの新しいファッションビジネスの手法になると思う。



アーカイブをどうするか、これからの、巨大なデータですから、データ化する事でファッションもビジネスもどんどんいわゆる新しさが生まれるだろうと。



ラグジュアリーが方向転換したっていうのはこれは、基本的には1990年代の湾岸戦争以後、丁度1991〜92年の湾岸戦争だと思うんですけど、それに煽りを受けたようにクチュールの客が減って、そこへ登場したのが1992年のグッチのトム・フォード氏がラグジュアリーファッションディレクターとして登場して、ラグジュアリーマークビジネスという新たな括りでモードビジネスの新しさをミラノの老舗が見つけた。

それでこうやってきて、実際のファッションビジネスっていうのはラグジュアリーの思惑をどうラッピングするかの包装紙になってしまった。



それからもうひとつ新しい、ここで僕が一番新しいのは2000年来、それぞれのビックメゾン、ビックラグジュアリーブランドのプレタポルテデザイナーはみんな中国を新しい世界、マーケットとして、もうひとつは生産地としてのふたつを含めて中国に色目を使ってどんどんそれぞれのブランド、それぞれのマークビジネスが中国に侵入していきます。

だからこの約10年くらいで彼等が認識したのは、やはり同じアジア人でも日本と中国人は違うっていう事。

その違い方は基本的には中国人の方がよりビジネスに対してはしっかりしてて、ある種ラグジュアリービジネスも、もうこれ以上奥には中々入れないよねっていうところに辿り着いたのは去年以来です。

それによってそれぞれのラグジュアリーブランドビジネスはもう一回Uターンして新たに日本のマーケットっていうのを攻め始めました。

その証拠が多分僕が帰って来て目にしたんですけど、表参道のギャルソンが入ったところにバレンシアガが出来、マックイーンが出来、ミュウミュウが出来っていう、当然のようにラグジュアリーブランドビジネスがまた東京の街に出店をし始めている。

で、この間のさっき言ったディテールのショーの時も、ずーっと来ている人を見ると、日本のそれなりに選ばれた赤文字系も含めたファッション関係の人達、当然のように座っているんですけども、それに混じってやはりそこそこ良い席に座っているのは中国からのジャーナリスト、それから顧客の方で言ったら中国での顧客の人達が手招きされて招待されて、もしくは旅費まで払って貰ってちゃんと見に来てると。

という事は中国で、今までは中国をビジネス戦略として新たな目線を持った時は、日本でもラグジュアリー系ブランドの広告宣伝費はほとんど使われなくなって、日本で使うのは販促経費だけで、今まで日本で使ってた広告宣伝費を同じクレジットで中国で使ったら、何倍も効果があるっていうところで、ほとんど中国で広告宣伝費を使った。

だだそれもここ10年間でこれ以上奥に入れないっていうところをそれぞれが体感してもう一度やっぱり上手く騙すなら日本人だよねっていうところに来たのがもう一度、この春からです。

そういう意味では、ラグジュアリーブランドビジネス路面店が東京にジワジワと増え始めている。

これは僕が深入りするひとつはすぐ後ろには、この前もお話したように、昨年来、安倍政権が色々な法律や条約を変えようとしてる中の新たなひとつにカジノ法案があります。

数日前にもほぼ決まりそうだなってところまで来ています。

これ庁党派で出来たカジノ推進派委員会みたいな物があって、まぁほぼ15年近くジワジワやっと東京オリンピックをターゲットにして、基本的には東京オリンピックの時には東京にカジノ、大阪にカジノ、沖縄にカジノっていう戦略です。

そうするとこの新しい去年のニュースの中からも僕なりの読み方でいくとカジノっていうのはファッション産業に大きなひとつのモチベーションを与えます。

カジノに出入りする男性、女性はどういう格好でどういう雰囲気で行くのか?

想像した時には、それなりの成金の男とそれなりの女と。

その時にそれなりの女の人達が何着てるかって言ったら、やはりトップクラスは世界の名だたるラグジュアリーブランドビジネスを着てるだろうと。

っていう事はもしかしたら置かれるかもわからない中国を構想にして日本にもう一回帰って、日本に数年後にカジノが出来るよね、これは新しい我々のファッションビジネスのモチベーションになりますよね。

だから海外のラグジュアリーブランドを着る人達、それから日本のそれなりの好きなブランドを着る人達、それからマルキュウ系を着る人達、この層が確実に具現化するはずです。

それによってファッションビジネスの横分けされ方、そういう意味で言ったらラグジュアリーマークビジネスはもう一度日本に方向を転換し始めている。

これはこれからのカジノ法案が決まってから僕達の関係あるファッション産業がどういう風に新しい決められた法律で生まれてくる産業とどう結びつくか。

そこに自分達がどれだけ手が出せるのかどうか、現実感として自分達が上手く関われるのか、関われないのか。

ひとつの将来、近い将来的な時代のやり方に、そういった意味ではニュースを読むっていうのは結構大事です。

そういう意味で言ったら、当然集団自衛権自衛隊が軍隊化したらユニフォームは新しくなります。

ユニフォームビジネスっていうのもまた新しく生まれて来ます。

ではその新しい軍隊のユニフォームを誰がデザインするのか、どこが請け負うのか、これもこれからのファッション、我々世界のひとつの流れの中、将来性に繋がっています。



長くなったので、区切り、続きます。